わたしは28歳のときに自閉スペクトラム症(ASD)だと診断されました。
精神科を初めて受診したのは、その更に数年前、交通事故による心的外傷後ストレス障害(PTSD)がきっかけでした。通院を1年半ほど続けて、PTSDの症状と上手くつき合えるようになってきたところで、一度、通院を終わりにしました。
しかし、そのあることをきっかけに感覚過敏がとても強くなりました。日常生活上での困り事がとても多くなり、体調がとても悪く、精神状態も良くなく、希死念慮がいつもある状態が続いたので、約3年ぶりに、通院を再開することにしました。
再開してから約3か月が経った頃、今の状態に名前をつけるとしたら何になるかを主治医に聞いてみました。
そのときの答えの中に、初めて、自閉スペクトラム症(ASD)という単語が出てきました。簡潔にまとめると「既往歴にPTSDのある、感覚過敏が特にあるASD」と言われました。
わたしの頭の中には、「自閉スペクトラム症の、感覚過敏が強く出ている人。感覚過敏が強く出ているASD」という言葉が強く残りました。
主治医は、スウェーデンのギルバートさん曰く、
幼いころには問題がなくて、成人してから上手くいかないことが出てきて、なんとなくASDに当てはまるというかんじの人は、女性に多い、と言われている
という説明をしてくれました。
わたしには何か能力が低かったりそれによって対人関係に問題があるわけではない。High Function高機能だから、環境さえ整っていれば色んなことができる、やれる人。
ただ環境が整っていないと、気づかなくていいことに気づいてしまったり、感じたり、目を向けてしまったり… なんでこんなのに?っていうことに過敏に反応する、’こだわり’ があると表現できる。
今のままだと、生活設計、経済的なところ、日本社会で働くのが難しそう。理解されにくい感覚の”こだわり”があるから。
と、ざっとこのような解説をしてくれました。
わたしがASDだと診断されたきっかけは、わたしが精神科の主治医に聞いてみたことでした。名前をもらってからは、障害者手帳を取得したり、自立支援をうけたりするために、診断書を作成してもらいました。その診断書を見て、自身の傷害の程度をより詳しく客観的に認識することができました。