YLIHERKKYYS DIARY

いろんな疾患と生きる日々の記録

脊髄空洞症と確定診断されるまで5 人生初の入院、検査入院はプレとして最適

主治医の初診時に、検査入院の日程を決めて、入院に必要な書類を記入したり、説明を受けたり、看護師と面談したりして、入院の打ち合わせをしました。

そして、3泊4日の検査入院をしました。生まれて初めての入院でした。
わたしが体調を大きく崩すなどしてMRIを連日撮れなければ期間が伸びると言われていましたが、予定通り4日間で終わりました。

レントゲン、MRI、尿検査、などを行いました。
MRIは4部位を4日に分けて撮りました。1回の撮影で何箇所もしてはいけない、1日1回以上してはいけないなど、身体への負担を減らす仕組みなのでしょうか。

 

MRIの影響

私は依然としてMRIに抵抗感がありました。(クリニックでのMRI撮影で体調が悪化することが確かめられていたし。ただ、身体的な悪化が大きくあった一方で、精神的な方は大丈夫だったので、その点、すこし気が楽になっていました。だから前回のMRI撮影前の時よりは、抵抗感は軽減されていたと思います。撮らないと次(治療)に進めない!やらなきゃ!という諦めのような覚悟もあったと思います。)
不安を和らげる薬を出すことできるよーと言われましたが、そっちのほうが大変なことになる(薬に超過敏に反応する、精神・身体共に長引く不調をきたす)ので、なんともない風を装って頑張ることにしました。
MRIで体調がどうなろうとも、薬で神経を過剰にいじられて体調や精神が悪くなることの方が断然嫌でした。
薬で求められる状態を作り出すのはまるで実験動物のようだと感じました。

実際には、やはり日を重ねる(MRIを撮る)たびに体調がどんどん悪くなっていきました。
MRIの機械の中から仰臥位で出てきたときに自分で体を起こして座位になることや、機械から降りてまっすぐ立ち歩くことができないくらい、力が入らなくなっていたり、車椅子を勧められるほどふらふらしていたり、病室に戻ってからもずーっと頭がうつ熱して痛くて大変でした。日中も寝るときも常に、氷枕をもらって冷やすことで凌いでいました。しのげたかはわからないけれど、少しは気がまぎれました。

頭痛に対して薬を出すこともできるよーと言われましたが、そっちのほうが大変なことになる…(以下前述したものと同文)。わたしの過敏性を理解されていないように感じて、すこし不安になりました(手術中や後に私の意識がないときに強い薬を勝手に投与されてしまうのではないか、とか)。

 

主治医から私と家族に説明
入院4日目の退院日に、主治医から私と家族に向けて、症状や治療(手術)法について詳しい説明がありました。
様々な検査をして他の疾患である可能性を否定し終えた、このタイミングが確定診断されたときだと個人的には思っています。

MRIで、キアリ奇形と空洞が確認されました。
'the'キアリ奇形と、'the'脊髄空洞症でした。主治医曰く「教科書に載るくらい」判りやすい明確な画だったそうです。

レントゲンで、脊椎側弯が確認されました。空洞症の二次障害として起きたものでした。
脊椎側弯があることは1年半前から知っていました。健康診断時の胸部X線撮影で判明していたからです。
その時の健康診断の担当医師から診察室で、「側弯しているけど、知ってた?」と聞かれ、「知らなかった。今見ている画像は他の人のものかと思った」とわたしは答えました。通い付けの病院に今度行ったときに伝えたほうがいいと言われました。
この時わたしはかなりのショックを受けたのを覚えています。思い当たることがいくつかあったからです。

私は定期的に通院していた整形外科リハビリ科があったので、そこで伝えると、再度レントゲンを撮って確かめられました。
ちなみにその整形外科リハビリ科でわたしは、少なくとも6年以上前から、肋骨のあたりの感覚が変であることを、たびたび訴えていました。

脳外科の主治医曰く、通常は、整形外科で原因不明の脊椎側弯が見つかったら、脳外科にまわすルートがあるそうです。実際にその主治医のところにも、毎年何名かがそのルートで来るとのことでした。

しかし、私は整形外科で1年前には脊椎側弯を、そのもっと前(6年以上前)から上半身の感覚異常も訴えていたのに、その通常のルートに乗せて(脳外科に廻して)もらえていませんでした。
そのことに対してわたしはショックと怒りを感じました。信頼・信用して長く通いつづけ、そこで言われることでモヤっとすることがあったとしても、この先生が言うなら、と納得していたからです。なんとなく裏切られたような、信じていた過去の私がダメなような、そんな感じがしました。
百歩譲って感覚異常を訴えたときでなくてもいい、遅くとも脊椎側弯を伝えた1年前の時点では脊髄空洞症を疑って、通常ルートに乗せて、脳外科にまわしてほしかったです。
そのときに脳外科でチェックしていれば、こんなに様々な症状が発症したり進行したりしていなかったと思います。症状が進行する前、重くなる前に治療を開始すれば、後遺症も残りにくいからです。

何年も信頼して通い続けていた整形外科リハビリ科の整形外科・内科医と理学療法士に対して、このとき初めて少しの不信感・不満感を抱きました。

 

検査入院はプレ入院
検査入院をしてひしひしと感じたことは、検査入院は、医療スタッフ(病棟看護師や栄養士ら)にとっても、患者本人(わたし)にとっても、手術入院に向けたプレとしての機能や役割があり、とても理にかなった仕組みであるということです。
少なくともわたしはそう感じました。
手術入院でいきなり数週間も初めて入院するよりも、数日間、様子見を兼ねて入院してみることができるのは、とてもありがたかったです。
不安も軽減されました。どのような困り事が発生するか/発生しそうかや、何がストレスに感じるかがわかり、どのように対策できるかを考えたり試したりすることができるからです。

実際に、病棟の間取りや作りやルールなどを知ったり、手術入院中に必要になりそうなものを具体的にイメージしたりできました。

ちなみに今回の検査入院では、集団病室でした。病衣や入院セットを借りずに、服も洗面用具なども全て持参したものを使いました。
暇潰し要員としては、読みたかった本を何冊も持っていきました。本の世界に夢中になっているうちに時間が過ぎていきました。

検査入院を通してわかったことは、次の手術入院に生かすことができました。例えば、
・うがい用のコップと、食事飲料用のコップの2つが別々にあるとよい
・ポットのある談話室から病室が離れているときは、保温できる水筒があると、何度も行き来しなくても白湯を飲めるので良い
・履きやすく脱ぎやすい、そして歩きやすく、汚れても拭き取りやすい、クロックスがあると良い
・病棟に付属の洗濯機は(私の持病、化学物質過敏症的に)使えないので、洗濯は家族に頼む必要がある、頻繁に来てもらうことはできないので、持参する服の他に、レンタルの病衣があると良さそうだ

・シャワーは予約制で30分間なので髪の毛を短くしていった方がいい

・私の特性(感覚過敏)的に、個室がいい

・痛み止めの薬を出される代わりに、鎮痛・鎮静作用のあるアロマエッセンシャルオイル(とそれをつける布マスク)をもっていっておけば、薬を勧められずに済む

…などです。

たった4日間の入院だったけれど、家族への面会もしてみました。どんな手続きを踏んで、どんな形でできるのか、試してみたいという気持ちがあったからです(コロナ対策として予約などが必要でした)。手術入院中の面会を気軽にできるようにするために、今のうちに(エネルギーのあるうちに)やっておこう、という意識がありました。結果、やってみて、良かったです。もっと仰々しいものかと思っていましたが、意を決して病棟スタッフさんに話しかけて希望を伝えてみると、意外とあっさり予約を取れて、簡単でした。それから、4日間だったけれど、家族の顔を見られて、話せて、ものすごく安心しました。張りつめていたものが緩んで、そこで初めて、ものすごく気を張っていたことに気がつきました。読み終わった本を持って帰ってもらい、病室内をすっきりさせることもできました。

これらの検査入院での経験は、手術入院への準備に大いに生かされました。想像でき過ぎて、不安になった面もありましたが、総じて、検査入院でプレを体験できてよかったです。

 

以上が、脊髄空洞症と確定診断されるまでの経緯です。

主治医からの説明時には、治療法や術式などの説明も受けました。手術を受けることを決めたら入院の予約を取ってね、と言われました。いったん持ち帰って、今日来ていない家族とも話し合ってから、という意味合いのようでした。しかし私はもうはなから手術を受ける気でいた(とにかく早く症状の進行を止めたかった)ので、その場でその意思を伝えました。そこで手術の日程も決め、入院の説明も受けてから、家族と一緒に帰りました。